第1885弾





Piaキャロットへようこそ!2


PartC










冷戦状態から友好関係へ。








遊園地以来、二人の休みはなかなか合わないものの、

わずかに空いた時間で一緒に散歩したり、買い物にいくなど

お互いが存在を意識し、惹かれあっていた。




そんなとき、













 将軍。お電話が入っております。



 こんな夜更けにか。パーフェクトに非礼だな。

まさか日野森か??



 いえ。残念ながら。














 おお真士じゃないか。久しぶりだな。



 おう。お前も元気そうだな。



 コミケで本を出したんだってな。どうだった、

売れ行きは?



 全然売れない、在庫山w



 フ。世の中すべてがパーフェクトにはいかないな。



 ははは。



 ところでどうしたんだ、今日は。



 いや、たいしたことじゃないんだが、スイマーにちょっと

聞きたいことがあるんだ。




 聞きたいこと?













 あずさちゃんて今フリーなの?彼氏いないんだろ?



 えっ。お前、もしかして・・・



 ああ。俺さ、本気で好きになったみたいなんだ。



 そ、そうなのか。



 なあ教えてくれないか。彼女って彼氏はいるのか?



 いない、んじゃないかな・・・。



 そっか。











 決めた。俺、あずさちゃんに気持ちを打ち明ける。

明日彼女に告白してくる。



 明日!?そんな急に・・・



 今までお店で何度か話してたけど、このまま遠くから

見ているだけじゃ何も変わらない。




 ・・・。



 告白なんかしたら嫌われるかもしれないけど、

それはそれでしょうがない。受け入れる覚悟さ。



 お前・・・。



 すまないな。お前には先に報告しときたかったんだ。

明日も早いのに、電話なんかして悪かったな。



 いや、別に・・・。



 じゃあまたな。



















 将軍!なんて馬鹿な真似をなされました!



 リ、リジュ。



 もし日野森あずさが、真士殿の告白にウンと言ったら

どうするのです。


なぜ、日野森は自分の女だとおっしゃらないのですか!



 だ、だがな。日野森とはまだ正式に付き合ってないし。



 そのような些末なこと、あとでどうにでもなります。

すぐに真士殿に電話を。告白を断念させるのです。



 真士は・・・あいつは親友だ。

あいつが勇気を振り絞ってやろうとすることを、

俺が邪魔するわけにはいかない。




 しかし、それでは・・・!



 それに決めるのは俺じゃない。日野森だろう。

これは彼女が自分で決めるべき問題だ。

















スイマーの友、矢野真士は日野森あずさに告白した。

日野森あずさ、そしてスイマーの出した答えは・・・

















 ごめんね。こんなところに呼び出して。

さっきね。あなたの友達の真士くんに会ってきたの。



 告白、されたんだろう。



 えっ。知っていたの。



 ああ。真士本人から聞いた。










 私ね、あんなふうに好きだなんて言われたのは

初めてだったから、なんて答えていいのかわからなくて・・・。

何も答えられなかったの。









 それで、一応あなたにこのことを相談しておこうと

思ったの。あなたの考えを聞きたくて。

それにもう私はあなたの・・・・



 これは・・・・日野森自身の、問題だろう。

俺がとやかく言うことじゃないと思うんだ。



 いや、でも私たちは・・・



 俺は日野森の彼氏じゃない。これはお前が自分で

答えを出さなくちゃいけない。



 か、彼氏じゃない??



 相談してもらって申し訳ないけど、俺には何もでき











 ぐっ・・・・!



 ・・・たしかに勘違いしてたわよ。











 でも、そう思わせたのはあなたじゃないの!











 優しく笑いかけてくれたりデートに誘ってくれたのは

一体なんだったの!?




 ・・・。



 私バカだわ。ひとりで舞い上がって、あなたのことを

勘違いしてた。



 俺は・・・俺は、お前のことを、










 別に、好きでもなんでもない。











 ・・っ!












 真士君のことは、自分で決めるわ。さようなら。














すれ違う気持ち。

スイマーと日野森あずさ。そして矢野真士。

三人の物語は結末は・・・・。



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