なあ。結局俺のしていることってなんだろうな。

パーフェクトソルジャーの名に負けないよう、

日々精進してきたつもりだったが・・・。

俺はただ世の中に掻き回されているだけじゃないのか。



 ・・・珍しく飲みに誘うから何事かと思ったら、

他軍の士官に愚痴か。

完全戦士も堕ちたものだな。



 腹心の諫言に耳を貸さなかったもんでな。

肩身が狭いのさ。



 情けない。実に情けない。



 ?



 これが一軍の将の姿か。配下の将兵が憐れだ。

パーフェクトが聞いてあきれる。



 はは。手厳しいね。



 蒼皇軍で本当によかった。蒼皇の赤軍トーク

聞いている方が百倍マシだ。













 蒼皇や長剣隊長はお前のように立ち止まってないぞ。

どんな不毛な道であろうとも、

その先に未来がなくてもひたすら走り続けている。



 不毛な道に向かっちゃ駄目だろう(苦笑)



 なにもせず立ち止まっている男よりはずっといい。

お前と飲む酒はない。帰らせてもらう。
















 失敗したのなら、また立ち上がればいいだけ。

百足川さんはそう言いたかったんじゃないでしょうか。



 ・・・。



 ご友人と女性との間で難しいと思いますが

今できることから探してみてはいかがでしょうか。



 そうですね・・・。そうします。













第1885弾





Piaキャロットへようこそ!2


PartD














日野森あずさとスイマー。

ふたりの関係は振り出しに戻る。

日野森あずさはスイマーに目を合わせようとせず、

明らかに避けていた。








それに対しスイマーは、再び歩み寄りを図る。

結果はすべて駄目だが、

パーフェクトソルジャーはあきらめない。








関係が戻らぬまま、最後の社内イベント。

研修旅行が始まる。

ここでもスイマーは日野森あずさの笑顔を見ることができない。










だが、研修旅行の夜。

スイマーの部屋を訪ねてきたのは日野森あずさ。








胸のロケットをぎゅっと握りしめる日野森あずさ。

スイマーと真士の間で、彼女の想いは揺れ動いていた。








もう自分がどうればいいのかわからず、

スイマーに答えを求めてきた日野森あずさ。








このまま日野森あずさを抱きしめるか、それとも・・・。


















 失礼します。研修旅行お疲れ様でした。



 リジュか。お前もこっちへ飲むがいい。



 は。



 すまなかった。












 結局俺は日野森を抱けなかったよ。お前の言葉に

耳をかけていれば、こんなことには・・・。



 仕方ありませぬ。将軍が友を想うがゆえの結果。

それで恋が破れようとも、義は通ります。



 今日で、アルバイトはオシマイだ。











 あとはPiaキャロシリーズ恒例の締め。最後の最後に、

意中の女の子を電話をかけるシステム。



 存じております。



 俺は日野森にかける。なにをしゃべればいいか

わからないが、

最後は日野森を選んでサヨナラしたい。



 スイマー将軍。軍師リジュ、献策いたします。



 ん?



 電話をかけるべきは日野森あずさにあらず。














 打ちましょう。宿命に終止符を。































 よっ。久しぶりだな。急に呼び出して、話って

なんなんだ??









 あっ。そうそう。これからあずさちゃんとデートなんだ。

ははは。なるべく手短に頼むな。



 真士。お前の気持ちを知っているうえで言う。

恥は百も承知だ。



 ・・・。


 俺は日野森が好きだ。たぶん初めて会った

ときから、あの子が好きだったんだ。













 そっか。昨日の夜に電話があったとき・・・

なんとなくそんな気がしてたんだ。


いや、本当はもっと前からわかっていたかもしれない。











 俺からも言いたいことがあるんだ。

歯を食いしばって聞いてくれ・・・。















 ぐっ!!
















 どうしたんだよ、殴り返してこいよ!












 ハイそうですかって、あきらめると思って

たのかよ!?




 ・・・・。










 お前。あずさちゃんを渡したくはないんだろ。

だったら、力ずくで奪ってみろよ!!



 すまない・・・。俺がハッキリしなかったばかりに、

こんなことになって。


でもこのまま、日野森とはサヨナラをしたくない。












 卑怯だと思われてもかまわない。俺は、日野森に

自分の気持ちを伝えたいんだ。


彼女が俺の前から、消えてしまう前に・・・。



 お前・・・・・・。バカだな。











 あずさちゃん。お前の話をすると笑顔になるんだ。

悔しいよな、ホント。











 俺もバカだから、お前の昔話をしちゃうんだよ。












 彼女の笑顔を見ていたかったから・・・。



 真士・・・。



 もう何も言わないでくれ。俺が気持ちを伝えてきた

ように、お前も正直に伝えてこいよ。


駅前で待ち合わせしてるんだ。









 けど告白するのは、この手紙を渡してからにして

くれないか。昨夜書いておいたんだ。



 わかった。すまん。いろいろ・・・。



 ハハ。謝るのはOKをもらってからにしろよ。










 じゃ、行って来いよ。フラれるなよ。















 いたっ!日野森ーーッ!



 スイマーくん??どうしてここに・・・。











 わ、私。真士くんと待ち合わせしているところなの。

だから勘違いされると・・・。



 真士には、会ってきたよ。



 えっ。



 これを。あいつから手紙を預かってきた。












 ああぁ・・・し、真士くん・・・。



 日野森。もう手遅れなのはわかっている。今更

言ってもどうしようもないと思う。

でも俺は日野森が好きだ。ずっとずっと好きだった。











 どうして・・・どうしてもっと早くそう言って

くれなかったの。



 すまない。本当に。



 真士は好き。私のことを大事にしてくれるから。

でも違う。違うのよ。










 本当に好きなのは、あなたなの。



 俺は、俺の名前はスイマー。もうお前のことは絶対に

離したりしない。

ずっと一緒にいてくれ。ずっとずっと。


















人間は不器用で不完全な存在だ。

だからこそ人間は己の不完全を認め、相手の不完全を許し

互いに歩み寄っていかなければならない。


スイマーと日野森あずさ。

ひとつの物語が終わり、ひとつの物語がはじまる。












Piaキャロットへようこそ!2

陽だまりのパーフェクト戦士


THE END





















TOPへ戻る