第1840弾





いつかどこかで


Part2













世紀末絶倫王と呼ばれたナカヤナギは、出版社に勤めるいい加減な社員。

これまで無関心・無感動の記事を書き続けたナカヤナギだったが

民宿しろうさぎの取材で美しい女将、雪田智枝と出会う。












 ナカヤナギさんは朝食はまだなんですね。よろしければ

ご一緒しません?




 ええ。よろこんで。












 お口に合うと宜しいんですけど。



 うん。こいつはうまい。ラウテンのワニほどじゃあないですが。



 はあ。ワニ、ですか・・・。



 (と、料理に感心している場合じゃないな)













 (この人は悲しんでいる顔が似合うな。さて、どうしたものか。

このまま一気にマウントに持ち込むか・・・



 ナカヤナギさん。少し私の話を聞いてくれませんか?



 ええ。構いませんよ。











 実は私、夫を四年前になくしてからずっと一人なんです。

ですからこうして誰か一緒に食事を食べていると、家族がいる

みたいで嬉しいんです。



 光栄です。



 夫がいない寂しさ、心細さ。もう忘れたつもりでしたけど、

最近は頻繁に思い出してしまうんです。



 それはいけませんな。



 実は私はこの民宿を建てるために借金をしたんです。

藤元さんという金融街者の方から借りたのですが・・・

最近頻繁に連絡がくるようになったんです。藤元さんから。



 返済の催促ですか?












 藤元さんが・・・その、つまり・・・私のものになれば

借金を帳消しにしてあげようって。




 金で関係を買う。わかりやすい手口ですな。

その男は危険だ。
やめたほうがいいですよ。












出会って間もない赤の他人に、赤裸々に悩みを相談する雪田智枝。

金融屋・藤元からの圧力。身も心も消耗しているようだ。














それから数時間後。噂の藤元が登場。

金融会社を経営しているという藤元の態度は、どこか人をなめている。












 最近のサラ金は社長自らは取立てにくるんですか?



 ん?誰だい。キミは。



 ナカヤナギ。民宿の客ですよ。














 はっは、智枝さんに聞いてくれたのかな。こちらとしては

消費者金融と呼んでもらいたいのだがね。



 あなたの仕事の呼び名がなんであろうと、俺の知ったことじゃ

ありません。



 貴様っ!社長に向かって無礼だぞ!何様のつもりだ!



 なんだ、アンタは。



 そいつは金田。私の秘書兼ボディーガードといったところだ。



 ・・・・。



 俺は勉学・体術を極めただけでなく、あらゆる資格を持つ男。

その数、20以上!!

ぶっ殺されたくなかったら荷物をまとめてとっとと・・・














 おぼっっ!!!



 なーにが資格だ。もっと筋トレせんかい。



 ギギギ(汗)



 ほう。なかなか強い。久しぶりにいい喧嘩ができそうだ。














 やめてくださいっ!ナカヤナギさんっ!



 アンタは黙っててくれ。



 これ以上、騒ぎが大きくなればこのお店は営業できなく

なってしまいます!
お願いです・・・!!



 フ。よろしい。智枝さんの涙に免じて、今日は退きましょう。



 逃げるんですか?



 安い挑発はやめたまえ。私は党員4号から組手を学んだ男。

私の闘気でわかるハズだ。戦えばただではすまないと。



 ・・・・。















 停戦は正解だったかもしれん。党員4号・・・史上最悪の格闘生物

と呼ばれる男だ。

藤元がその教え子ならば、俺の勝てる相手じゃあない。













 んが、女を落とす戦いは俺の勝ちだ。
















 クックック。見せてあげよう。ナカヤナギ流の戦いを★



 ふ、藤元さんと電話中なんです。ナカヤナギさん・・・

な、何を・・・!?







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