※このプレイ日記は2014年月日に後援者の◎●●さんが製作したものです。




第 弾





VA-11 HALL-A









どうも、シャーシです。今回は文章で普通にレビューします。

今回の題材はこれを書いている時には

日本語化数日しか経っていない作品です。(ゲーム自体は2016年発売)

ジャンルはアドベンチャー、

公式ではサイバーパンクバーテンダーアクションとなっています。

ハードはPC、vita(パッケージ版もあり)。私はPLAYISMで購入しました。

早速本題に入りましょう。









舞台は207X年の架空都市グリッチシティ。

摩天楼が聳え立ち、アンドロイド(この作品ではリリム)が人間社会に

溶け込んでいる未来都市である一方、犯罪は急増し

強欲な大企業が牛耳る危険な場所でもあります。

プレイヤーはそんなグリッチシティのバーテンダーであるジルとなり、

客と交流していくわけです。






ジャンルにもある通り、この作品ではバーテンダーとなって

カクテルを出す
ことがシステムの中核となっています。

普通のアドベンチャーの選択肢の代わりに、

カクテルが今後の展開を決めるのです。

カクテルなんてしらねえよ!という人でも大丈夫です。

出てくるカクテルはほぼ架空で知識は不要。








オーダーが入ったら、成分を確認してシェイカーに

六種類の材料を入れて、熟成するかと氷を入れるかを指定して

振るだけでカクテルは作れます。

あとはいくつかの応用がありますがそれは省略します。






もちろんすべての客がはっきりと注文するわけではなく、

「甘め」などの抽象的な注文もしてきます。

その時には「種類」「味」で検索しましょう。

時にはクイズのような注文をする客もいますし、

客の注文以外のカクテルを出すことがカギになることがあります。

なのでカクテルの裏話や客の好みは覚えておくといいでしょう。







訪れる客や仕事仲間には魅力的なキャラクターが揃っています。

ハッカーや殺し屋、はては犬などにカクテルを出すハメになることも。

私は現在とは価値観も使用する技術も違う登場人物たちの

会話に夢中になりました。

SFチックな哲学話やニュース、身の上話はともかく、

あまりにも露骨すぎる猥談は好き嫌いあるかもしれませんが。

(といっても直接的な描写はなく、大人のジョークの範囲内です。)






ストーリーはSFですが、あくまで個人的な出来事が中心となります。

壮大な展開を望む人は肩透かしを食らうかもしれません。

非日常と日常が混ざり合ったような感覚は

厳しい情勢のベネズエラ出身の作者ならではの感覚を感じます。

私は厳しい状況で生き抜いているキャラクターに励まされました。






ストーリーで個人的に言及しておきたいのが百合要素です。

性について解放的になった未来世界なので、同姓愛者も多く登場します。

バーという性質上社会人百合で、落ち着いた雰囲気がいいです。

展開も豊富ですけど、私は特にデイナとジルの関係に惹かれました。

もちろん百合以外の人間関係もしっかり描かれています。






これまでこの文章ではあまり触れていませんが、

サイバーパンクとしてもいいです。

SFを少し触れた方ならおわかりいただけていると思いますが、

作品の舞台はブレードランナーのロサンゼルスや

ニューロマンサーのチバシティを思い出させる王道なものです。



お馴染みのサイバネティック技術は普及しており、

一部体を機械化しているキャラクターはよく出てきますし、

身体強化手術の話題も出てきます。

特にナノマシン関係は作中で重要な要素となっています。

アンドロイド(リリム)と人間の違いや少しディック※的な真贋に関する

議論も惹きこまれます。


※アメリカのSF作家








このゲームでは小ネタとしてゲームやアニメ、映画などの

様々なネタが拾われていますが、

画像で分かる通り、特に日本のものがよく対象となっています。

このゲーム自体がPC98等のレトロなPCアドベンチャー風のものに

なっているのが一例です。





最後にBGMについてですが、どこか懐かしい気分になる

落ち着いた80年代風シンセサウンド
となっており、

ゲームの雰囲気とマッチしています。

仕事を始める時にジュークボックスでいくつか選択しなければ

ならないのですが、数が豊富で迷いますね。

BGMはMP3で販売されている他、サウンドクラウドにも

アップされているのですが、

それによるとジャンルはヴェイパーヴェーブになっています。

このジャンルは80年代あたりのキッチュなサウンド(特に日本のもの)

をサンプリングしたもので、

テレビでたまに流れる風景映像を観ているような

ノスタルジックで奇妙な感覚を味わえます。


主に10年代前半のインターネットで流行ったアングラなジャンルで、

こちらも興味を持ったら調べてみて下さい。







作品としては人を選び、カクテル作りも作業ではあります。

上記のようにシナリオも良くも悪くも個人のドラマに集中しており、

人によっては消化不良を感じるかもしれません。

(これについては作者の意図を感じます)







ですが、ここまで読んできて興味が持てたなら

かなりオススメできる作品です!


これで最後ですが、ここまで読んで下さった方、

ありがとうございました。






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