※このプレイ日記は2016年6月21日に後援者の古風さんが製作したものです。




第1801弾





PES2017
Pro Evolution Soccer 2017



PartA









後半はゲームプレイ無の考察パートです。








【なぜ、サッカーゲームなのかという疑問】




ところで、前述のようにこの店には大型のディスプレイにPS4・PS3といった

かなり良い設備があります。

にもかかわらずゲームソフトはサッカーゲームばかりという偏りがあります。

私なりにその理由を考察してみました。


ポイントは以下三つ


@サッカーであるが故の「操作性」

A最大4人プレイの「コスパ」

Bその場で完結してくれる「キリの良さ」











@サッカーであるが故の「操作性」


ゲーム環境を提供する商売である以上、客に来てもらわねば話になりません。

その点サッカーはメジャースポーツでベトナムの若者には

かなり人気らしいので十分です。

加えてこれはプレイした感想なのですが、誰でも最低限知っている

「ボールを蹴り、奪い合い、ゴールに入れる」動作が、

このゲームではボタンごとの役割がはっきりしている上に煩雑な入力が必要なく、

直感的な操作に対応してくれる利点があるので

サッカー/ゲームのどちらかに興味が無いような人でも容易く操作に

慣れることができます。


これが多くのコマンドや選択肢、アイテムを使いこなすようなゲームでは

チュートリアルだけで時間と金を使ってしまいますし、

一方で臨場感のないクイズゲーム等は論外です。

多くの人々が取っつきやすく、直感的な操作で楽しめ、しかも臨場感と没入感がある

という条件を鑑みれば、サッカーはこれを満たすでしょう。








A最大4人プレイの「コスパ」




店舗としては複数の大型ディスプレイやゲームハードに投資した分の金額を

早めに回収し、利益を確保してしまいたいのは当然です。

コントローラーの個数に応じて時間当たりの収入が増えるのですから、

一度により多くの客がプレイしてくれる方がお得です。


プレイステーションのゲームで、@で述べた条件に当てはまりかつ

オフライン多人数プレイに対応するゲームとして、

サッカーは最適解の一つではないかと。


サッカーゲーム以外のラインナップにしても格闘ゲームやパーティーゲームになるのは、

やはり多人数対応のためでしょう。








Bその場で完結してくれる「キリの良さ」


客はあくまでゲーム環境を「借りている」に過ぎませんから、

終われば精算して終了です。

個別にセーブデータなどありませんし、HDDやメモリーカードもありません。

なので@でも述べましたチュートリアルに時間がかかるゲームはもちろんのこと、

クリアに長時間を要し、中断とセーブを要するようなゲームも

この業態に向きません。


更に述べるならば、多くの場合そうしたゲームは多人数プレイに対応しないので

Aの条件にも反します。


この業態では「デフォルトの状態で充分に遊べる、短い時間で区切りがつきやすく、

セーブ不要なその場で完結するゲーム」
が求められます。

となれば試合形式のスポーツゲームが第一候補ですが、

更に多人数対応で球技、と絞られることになります。


サッカーゲームは多くが実在選手やチームに即しているので育成などの

セーブデータなしでも充分遊べます。




以上@〜Bが、ベトナムで「テレビゲーム屋」の業態に属する店がサッカーゲームを主力とする

根拠として挙げられるのではないかと考えられます。











【その他の娯楽との競合は?】



「テレビゲーム屋」や「ネットゲーム屋」はその店舗数の多さから、

人気ぶりを窺い知ることができます。

では、ハノイ市街におけるその他の学生向けの遊戯や娯楽は何があるのか?

という疑問についてです。







@〈ビリヤード〉




ベトナムではかつてビリアードが大流行したことがあるそうです。

現在では店舗は多くないものの、ビリヤードは根強い人気を持つ遊戯です。

よく遊びに誘ってくれるハノイ経済大学OBの兄さんは、

夕食後にビリアードクラブへ連れていってくれることが多いのですが、

そこはハノイ経済大学から徒歩3分程の大通りに面した好立地に

6階建てという大規模店舗でした。

一台が1時間で5万VND、一台を4人で4時間レンタルし、

会計がドリンク代も含め24万VNDだということなので価格帯は変わらずといった印象。






A映画


ベトナム映画産業は未だに発達途上との評価もありますが、

大衆娯楽として人気があるようです。

映画そのものは2万〜10万VND程度で済みますので、まずまず

安価な娯楽と言えます。




近年の日本アニメ随一のロングラン作品『君の名は。』も放映されたのですが、

大ヒットとはいかなかったようです。。


あとは『名探偵コナン Episode1』や京都アニメーションの『聲の形』も

公開しています。

日本アニメが多いのは、「スーパーヒットは望めずとも、

常に一定の固定客がいて利益計算がしやすいからかな」
と勝手に

想像しております。

最近ではlegendary版の『キングコング−骸骨島の巨神−』

ベトナムが撮影地となった経緯もあってか注目を集め、珍しい長期上映を達成しています。


肝心のベトナム国産映画は、まあ、今後に期待というところで……。









Bゲームセンター


アーケードゲームはショッピングモールや大規模なデパートにしかなく、

やや高コストな娯楽と言えるでしょう。

休日、家族でショッピングを楽しんだ後の時間でアーケードゲームを遊びに

立寄ることはあれど、

町中のゲーム屋の如くゲームプレイそのものを目的に行くことは基本的にないだろう、

と予測します。

と考えると、中心とする客層からして「ゲーム屋」とはずれるかもしれません。

アーケードゲームに関しては、後の機会に詳しく書きたいと思います。

尚、ボーリング場も立地からおおよそ同じ枠かと考えられます。

無論、両者とも日本人からすれば安価に感じられるとは思うのですが。








Cカラオケ


大小多くのカラオケがハノイには存在します。

価格帯によってサービスにも差が出ます(当たり前)。

店によっては入室直後から部屋付のオプションとして酒に果物やツマミが置かれる所も。




その他に、きわどい衣装に身を包み番号札をつけた「プロフェッショナルな女性」と

ホテルを斡旋する店舗、その両方の役割を果たすカラオケ屋もあります。

一般店舗は、大人数で宴の二次会のために利用されることが多いと聞きます。


私は一度だけ友人達と「一般的なカラオケ」に入店しましたが、

そもそもベトナムの歌を知らず。

何故か越語訳されていた『神田川』とロシア語の『カチューシャ』だけ歌い、

後は聞き役に徹してひたすらに夏みかん(?)を齧っておりました。






閑話休題。

いずれのカラオケにせよ、娯楽としての質が異なるので競合相手ではないでしょう。

恐らくこんなところだろうと思います。




発展著しいベトナムに、この後どのような娯楽産業が華開き栄えていくのか。

「所変われば品変わる」とも言いますので、

また日本とは異なったものが栄えることもあるでしょうし、

たとえ同じ”品”であっても今回の主題であった「テレビゲーム屋」のように

異なる普及の仕方をするものもあるかも知れません。

今後が楽しみです。
















ただし「海賊版」てめぇはだめだ……!!



※画像は、友人が仕事先のホテルにて宿泊客から「お裾分け」された物。

中国もしくは台湾の映画関係者(?)に対し営業用に渡されたDVDが

横流しの末に大量複製されているようです。

私がこれを撮影したのが2016年11月で、

『君の名は。』ベトナム公開が2017年1月13日なので、
観たがっていた人は

劇場公開前に海賊版で視聴済みだった
のではないかとも。







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